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北海道産の“小麦”が人気 理由は物価高 「このままでは4割値上がり…」ウクライナ侵攻や円安で

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 うどん、パスタ、パン…わたしたちの食卓を支える小麦が高騰しています。

 そんな中、北海道産の小麦が注目を集めています。

 「これはユメチカラです!」

 江別市の畑に7月19日、全国からベーカリーのオーナーなど22人が集まりました。

 お目当ては「北海道産小麦」です。

 道産小麦を使用する長崎県のパン店経営者:「壮大な大地で育つ様子や話を聞きたかったし見たかった」

 道産小麦の使用を検討する札幌でパン店を開業予定の人:「小麦の香りも非常に香ばしくて『小麦らしさ』が出てくる。北海道の小麦を使いたいと思っています」

上がりすぎでは…

 北海道産小麦に注目が集まっている理由は"物価高"です。

 日本では、輸入小麦は政府が買い付けて製粉会社に売り渡すというシステムをとっています。

 輸入小麦の売渡価格は政府が決めることになっていて、2022年4月と10月に改定されます。

 2022年4月の改定では、前回から17.3%も価格が上がりました。

 第一生命経済研究所 首席エコノミスト 永濱 利廣 さん:「(2021年の夏に)北米での天候不順によって小麦の収穫が減り、値段が上がったことが要因」

 永濱さんは今後も輸入小麦の価格の上昇は続くと危惧します。

 永濱さん:「次の(売渡価格の)改定が10月にあるが、3月以降のロシアのウクライナ侵攻や円安の要因が追加される。今のままいくと4割ほど価格が上がる可能性がある」

 日本は、ロシアとウクライナから小麦を輸入していません。

 しかし、2か国だけで世界の小麦輸出の約4分の1を占めており、国際的な影響は計り知れません。

 永濱さんは海外に頼らず"国産の小麦を使う"ことが大切だと話します。

自慢の生地です

 北海道は小麦の生産量が全国の3分の2を占めています。

 品種改良も進み「ハルユタカ」「ゆめちから」などのパンに適した小麦の生産が拡大しています。 

 全国から視察にきたベーカリーのオーナーたちが続いて訪れたのは…

 「ここが『ロール製粉機』がある場所です」

 北海道産小麦を製粉する「江別製粉」。

 国産小麦に目を向けられるようになってきたと感じているといいます。

 江別製粉 吉田 幸慶 営業部長:「国産小麦は使いにくいとか、収量が安定しないとかっていう話もあったが、最近では収量も上がり使いにくいという話はほとんどなくなった。むしろ『こういう粉を作ってほしい』など要望がある。期待に応えていきたい」

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