"1枚の葉"から無数の物語を…葉っぱ切り絵アーティスト SNSフォロワー40万人 集中力を強みに
葉っぱ1枚で作る「切り絵」の世界。SNSでも話題となっている作品が北海道函館市で展示されています。発達障害と診断された作家の男性が葉っぱに刻んだ物語とは。
「お誕生日、おめでとう!」ウサギをお祝いするペンギンやリス。動物たちの会話が聞こえてきそうな"切り絵"の世界が広がります。
展示会に訪れた人:「あまりにも繊細というか、細かくて驚きです」
葉っぱ切り絵アーティストのリトさん(35)。発達障害のひとつADHDと診断されています。

葉っぱ切り絵アーティストのリトさん
リトさん:「集中力だけは小さいときから自信があった」
自分だから作れるものを、1枚の葉っぱと1本のナイフで。
リトさん:「こんなもんでいいんじゃない? こわいなぁ、お客さんいっぱい来ると思うとめちゃめちゃこわい」
インスタグラムのフォロワーは40万人以上。
6月から、函館市内で、葉っぱ切り絵アーティスト・リトさんの作品展が始まりました。
リトさんの作品は葉っぱ1枚から動物たちを切り出すもの。見る人は動物の会話やストーリーを想像します。

函館にちなんで金森倉庫やイカ、函館ロープウエーも
函館での展示にちなんで金森倉庫やイカ、函館ロープウエーも。
リトさん:「地元の人たちが函館のものを入れてくれているって喜んでもらえるもの。この1枚の小さな葉っぱの中にぎゅって凝縮してなんとかデザインまとめさせてもらった」
繊細な作品を生み出している道具を見せてもらうと。
リトさん:「僕が使うのはこれ1本ですね、これだけでいつも作品を作っています」

1本のデザインナイフのみで繊細なアートを作り出す
1本のデザインナイフのみで作り出す繊細な作業。葉っぱを固めるため丁寧にグリセリンを塗ったあと、水性ペンで下書きしナイフで切り取っていきます。完成させるのに2時間から8時間はかかるといいます。
リトさん:「根気と集中力が必要。集中力だけは小さいときから自信があった」
そんなリトさん、4年前までは会社員でしたが、当時はある悩みを抱えていました。
リトさん:「仕事覚えが遅いと常に周りから言われていた。自分だけ同じことずっとやり続けてそれで周りが見えなくなって怒られるとか。そういう違和感をずっと抱えながらの社会人生活でした」
一つのことに没頭してしまうと、ほかのことが手につかなくなる。病院の診察を受けると発達障害のひとつADHDと診断されました。
リトさん:「会社を辞めて、何かの道で食べていかないとってなったときに、たまたま海外の方が葉っぱ使った切り絵作品を作っていて、これすごい面白い、自分もやってみようと思った」