国の原子力規制委が北海道泊原発を視察 断層調査について説明受ける 停止から10年…再稼働の見通しは
5月、再稼働に関して運転差し止めの判決が下された北電・泊原子力発電所。こうした中、6月7日、国の原子力規制委員会が現地をおとずれ、発電所の安全対策などを視察しました。
視察に訪れたのは原子力規制委員会の山中伸介委員などメンバー4人です。発電所の防潮堤や緊急時の対策施設などを6時間ほどかけて視察しました。
原子力規制委員会 山中 伸介 委員:「断層の調査について、かなり詳細な説明を受けた。断層についての現状調査の結果について十分理解ができた。防潮堤、設置場所を現場で見て今後の論点がはっきりした」
泊原発は、2012年5月から3基すべてが稼働を停止しています。再稼働するには、規制委員会の審査に合格する必要がありますが、再稼働の見通しは立っていません。
さらに、再稼働には別のハードルがあります。
今年5月、札幌地裁は、周辺地域の住民などが廃炉などを求めた裁判で、泊原発の運転を認めない判決を言い渡しました。
判決文で札幌地裁は津波対策について「北電の説明には裏付けがない」と指摘しています。
原子力規制委員会は判決と審査は別としながら、北電に注文を忘れませんでした。
原子力規制委員会 山中 伸介 委員:「規制委員会の質問に対して、北電はできるだけ迅速に明確に答えていただけるよう、体制・組織を構築して審査に臨んでいただきたい」