精神疾患の母親に代わって家事を…ヤングケアラーの女性が見つけた居場所 支えられ作業療法士に 北海道

娘の卒業式に母親も感無量の様子だった
ひとり暮らしを始めて距離ができたことで母親との関係も安定してきたと感じています。
この春、大学を卒業しました。
「作業療法学専攻・尾崎瑠南」
卒業式に駆けつけてくれたのは、母親の直美さんでした。
母 直美さん(仮名):「いろんな苦労を、しなくてもよかったはずの苦労をさせてきてしまったので、申し訳ない気持ちはいっぱいあるんですけど、ここまで立派に成長してくれて。もう言葉が出ないです」
瑠南さん:「最後の卒業式、見てもらえてよかったかなと思います」

作業療法士として歩み出した瑠南さん
4月から作業療法士として病院で働き始めました。
瑠南さん:「まず、こちらの方で練習してみましょうか。一度立ち上がっていただきます」
働くかたわら、カコタムで学習支援のボランティアもしています。
子どもたちの気持ちに寄り添います。
瑠南さん:「いつもいる人だけど、話を聞いてくれる身近なお姉さんというか。
困っていても困ってなくても、話してもらえる存在になりたい」
ヤングケアラーが居場所を見つけ、自分らしくいること。それは孤立する家族にとっても大切なことだと感じます。
瑠南さん:「家庭の中に一歩でも入ってくれる大人がいたら、子ども側も助かると思いますし、保護者も相談できる相手ができたら、不安を抱え込んだりしないのかな」
安心できる居場所、信頼できる大人。今度は自分がそんな存在になろうとしています。