カズワン上部を“海面から出し”えい航へ「作業船にしっかり固定するための戦略では…」専門家が解説
えい航中のカズワンが落下という事態について、船舶の事故に詳しい水難学会・斎藤 秀俊 会長の解説です。
・つり上げのベルトが切れた状況について
斎藤 会長:「何かによって切られたような雰囲気。ベルトは引っ張られてちぎれる場合と何かに切られる2つがある。今回はのこぎりによって切られたような切り口に見える」

後方のベルト2本が切れた
・原因について
斎藤 会長:「船底に注目したい。尖っているキールという部分でベルトがV字型になり破断した可能性がかなり高いと思う」
「海中では浮力が出るので船が浮いたり沈んだりする。そうするとベルトも前後に動いたりする。尖っている部分がのこぎりやナイフみたいな役割をしてベルトが切れてしまった可能性がある」

再つり上げの戦略は…
・今後の再つり上げについて(前回は水深20メートルでえい航し落下した。今回は船体を海面まで上げ作業船の側面に固定してえい航する予定)
斎藤 会長:「20メートルの深さでも色々な力が加わって結果的にベルトが切れた。船にしっかり固定するために海面近くまで上げるという戦略だと思う」
「前回は相当の数のベルトをかけたので水深20メートルくらいでも運べるだろうという見方だったと思うが、結果的なダメだったので。今回の方法になったと思う」
「船にぴったりくっつけていけば、これまで以上に安全なやり方で運べると思う」