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救助"空白地帯"の解消 救命いかだ"義務付け"案…悲劇を繰り返さないため 教訓とは 観光船沈没1か月

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 北海道知床半島沖で26人を乗せた観光船「KAZU1(カズワン、19トン)」が沈没してから5月23日で1か月。14人が死亡、いまだ12人が行方不明となっています。

 大きな犠牲を払い、今回の事故で何を教訓として得るのか。2度と悲劇を繰り返さないためには何が必要なのでしょうか?

 今回の事故で、海上保安庁のヘリが通報から現場到着まで、3時間以上かかりました。

 海保は、全国9か所に機動救難士を配置し、1時間で救助を行なえる体制を敷いているとしていますが、知床はこの1時間圏内から外れ、救助の空白地帯となっていたのです。

知床は「1時間出動圏」の外に位置している

 海上保安庁 奥島 高弘 長官:「重点的に行わなければならないのは、機動救難士等がヘリコプターに同乗し、出動してから1時間以内で到達することができない海域を無くすと。これをカバーするべく、ヘリコプターや機動救難士の配置を進めてまいりたい」

 先日開かれた事故対策検討委員会で、全国一律の基準になっている救命器具の整備や、乗員の技量などについて、見直しの声が上がりました。

 沈没した「KAZU1(カズワン)」のような小型旅客船は、定員分の救命胴衣の他、「救命いかだ」か海につかった状態で救助を待つ板状の「救命浮器」のいずれかを搭載しなければなりません。

 しかし、知床の海水温では体が海につかったままの「救命浮器」では、短時間で命の危険が及ぶことから、知床のような海水温の低い地域で運航する小型旅客船には「救命いかだ」の搭載を義務付ける案が検討されています。

「救命いかだ」搭載の義務化も検討される

 「船舶の運航管理に関して3年以上の実務経験があること」。これは観光船の運行管理者の資格要件です。

 しかし、沈没事故を起こした知床遊覧船の桂田精一社長は、運航管理者の立場にありながら、十分な知識や経験がなかったと指摘されています。

 知床遊覧船 桂田 精一 社長:「ご指摘されれば、安全管理は行き届いていなかったということになると思う」

 事故当時、桂田社長は会社におらず、運行管理者としての行動を怠っていました。このことから国土交通省は、運行管理者の資格要件を厳しくする方針を掲げました。

運行管理者の桂田社長は、事故当時は事務所にいなかった

 今後、運行管理者就任に対して、試験や講習を導入し事業者の資質の向上を目指す方針です。そして、この船の安全に関して、私たち、利用する側も様々なことを考えさせられました。

 観光客「自然への畏敬というか。楽しさの裏に自然の危険が常にあるんだってことを、この事件を通して、なおさら考えなきゃいけないんじゃないかなと思ってます」

(KAZU1の「ワン」は正式にはローマ数字)

  • みんテレ