知床観光船沈没 事故から1か月 沈む船体引き揚げへ 作業本格化 残り12人の捜索続く
14人が死亡、12人が行方不明となっている北海道知床半島沖での観光船の沈没事故は、5月23日で発生から1か月です。
強風で中断していた船体の引き揚げ作業が5月23日、現場海域で本格化しました。
(斜里町から 石井祐里枝アナウンサーの報告)
こちらは知床半島が望める展望台です。事故から1か月。港では海に向かって手を合わせる人の姿が見られるなど追悼の思いに包まれる一方、船体引き揚げに向けた作業が始まりました。
廣岡 俊光キャスター:「カズワンが船の上に引き揚げられるときに使用するものでしょうか。船の台座のようなものが準備されています」
23日午前8時前、潜水士が水中エレベーターで潜り、海底115メートルに沈む観光船カズワンの引き揚げ作業を始めました。
23日は船体にワイヤーを取り付けて水面近くまでつり上げ、網走港周辺に移動させます。
24日にも、カズワンを作業船の上に引き揚げる予定です。
また、海上保安庁は船体引き揚げ後、事故原因の特定を急ぎ、業務上過失致死容疑での立件を視野に捜査を急ぐ方針です。
一方、事故発生から1か月を迎え、捜索に協力してきた地元の漁師の思いも複雑です。
捜索に協力してきた漁師:「まだ見つかっていない人がいるから…。残り12人、早く見つかってほしいですね」
漁師はこれからも漁をしながらの捜索を続けると話していて、悲しみに包まれながらも日常を取り戻そうとする姿がありました。