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現役潜水士が語る"深海"での過酷な作業…時には命を落とすことも 圧力は地上の約12倍 飽和潜水

事件・事故 社会 友だち追加

 北海道知床半島沖で、飽和潜水士による行方不明者の捜索が、5月19日から始まっています。時には命を落とすこともあるという過酷な作業について、現役の潜水士に話をうかがいました。

 KAZU1(カズワン)が沈んでいる場所は深海115m。圧力は地上の約12倍です。捜索や調査には飽和潜水士の力が必要になります。

 潜水士は、加圧したタンクに入り、圧力がかかった状態で一定の時間を過ごし、体を馴らしていきます。その後、潜水用のカプセルで深海に向かいます。

加圧したタンクに入り体を慣らす

 以前、飽和潜水士をしていた現役の潜水士に深海の状況を聞きました。

 現役潜水士:「日光が届かないので夜とかだと暗い。ライトがないと真っ暗。ダイバーのヘルメットにライトついている。1m、2m見えたら問題ない」

 また安全のため動ける範囲も制限されています。

 現役潜水士:「ダイバーのホース=アンビリカルの長さがおおよそ30m。それより長くするとダイバーが浮力操作を誤って、水深が上がった場合、一気に減圧されて減圧症になる。ホースの長さによる行動制限が決まっている」

ホースの長さによる行動制限

 では、115mの深海ではどのような作業が進められているのでしょうか。

 現役潜水士:「3人で1チームで、そのうち2人がロックアウトして(外に出て)、2人ともカズワンまで行く。2人とも船内に入ると、アンビリカルが絡まったりするので、1人は必ず外で待ってる。もう1人は船内に入っていく。ROVで行けないところが結構あるので、機関室やキャビンとか細かいところまで行方不明者の確認はしていると思う」

深海での作業

 行方不明者の捜索が終われば、今度は船体引き上げの調査が始まります。

 現役潜水士:「ROVはプロペラがついている、カズワンのようなところだと下が泥で、そこをかき回すと視界が濁るのであまり近づけない。ダイバーでかき回さない程度の目視をする。船体の引き揚げをする時にナイロンスリングという、布状の幅広いワイヤーをかけると思われる箇所に、大きい傷とか、船体が崩壊しないような事を確認する」

 今回、カズワンの船体は海の底についていて、潜水士の男性によりますと、スリングをかけるため船の下に穴を掘る作業が必要だということです。

船体の引き揚げ作業

 船体の引き揚げ作業について、海難事故に詳しい神戸大学の若林教授に話を伺いました。

 神戸大学大学院 若林 伸和 教授:「(潮は)1日に4回流れの向きが変わるので、変わるあたりは流れが緩くなる。それが1日4回ある。その時間を狙って作業していくと思う。ベルトをかける作業がどの程度順調にいくか。巻き上げ始めたら慎重にやっても3~4時間で揚がるだろう。右側の方が、船体の下の方は見えにくい状態かもしれない。船体の下の方に浸水する原因となる穴があるのかどうかが、ひとつのポイントになる」

  • みんテレ