「私たちの手元に返して…」「言葉がない…」残された家族の思い 知床観光船沈没事故からまもなく1カ月
死者14人、12人が行方不明となっている観光船沈没事故からまもなく1か月を迎えます。
愛する人の死を悼み、いまだに見つからない人を案ずる残された家族の思いは。
亡くなったヌデ島優さん(34)の両親:「荒れた海で冷たい中に入って、恐怖と冷たいのと。本当に死ぬ間際まで無念だったと思う」
犠牲者の遺体が安置された斜里町内の施設には、身元確認のため家族が次々と訪れました。
突然の事故に残された家族はどんな思いを語ったのでしょうか。
東京から家族3人で北海道旅行に来ていた加藤さん一家。
父親の加藤直幹さんと娘の七菜子ちゃんが亡くなりました。
同乗していたとみられる母親はいまだに見つかっていません。
直幹さんの父親が胸の内を語りました。
加藤さんの父親:「息子一家3名は会社の休暇で1週間の北海道旅行。最終目的地の知床に来て、4月23日夕刻に女満別空港から東京に戻る予定だった」
知床で観光船クルーズをすることが夫婦の夢だったといいます。

絞りだしてくれた子への思い…
旅行最終日を襲った悲劇でした。
加藤さんの父親:「多くの人が救出作業を行ってくれて本当に感謝に堪えない。一日でも早く、私たちの手元に返していただきたい」
親子3人で乗船した竹川好信さん、生子さん夫婦と息子の有哉さん。
両親と弟を失った男性は残されたレンタカーの中に父親の上着を見つけました。
竹川さん夫婦の長男:「これ着て家族説明会に臨んだ。父も一緒に話を聞いて、真実を明らかにしたかった」

家族旅行を襲った悲劇だった
参加した説明会では桂田 精一 社長が笑ったような表情を見せ、憤ったといいます。
明るくユーモアがあった両親と寡黙な弟でした。
竹川さん夫婦の長男:「両親と弟の最期がどんな状況だったか知るために、海岸で足首まで水につかってみたが想像していたような温度ではなかった。大変な状況だったのがよくわかった」