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住宅街でカラスの死骸…胃の内容物から"致死量の農薬"が見つかる 人為的に与えられたか

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 北海道札幌市内の住宅街で2羽のカラスが死んでいるのが見つかり、死骸からは致死量の農薬が検出されました。人為的に与えられたものとみられます。一体、だれが何のために行ったのでしょうか?

 札幌カラス研究会 中村 眞樹子さん:「1羽は、この木にぶら下がっていた。もう1羽は、この辺に」

 5月4日午前10時すぎ、札幌市白石区の住宅街でカラスの成鳥2羽が死んでいるのを付近の住民が見つけました。

 死んだカラスを発見した人:「鳥インフルだと思い、どうしたらいいか警察に電話をした」

 北海道の指針で定められた鳥インフルが疑われる大量死ではなかったため、警察は回収せず住民に廃棄するよう指導しました。しかし、死に方を不審に思った人がカラスの生態に詳しい「札幌カラス研究会」の中村眞樹子さんに連絡。状況を見た中村さんは…。

 札幌カラス研究会 中村 眞樹子さん:「成鳥のカラスが、2羽同時に死ぬ例はあまりない。怪しいと思った。ましてや泡をふいている」

発見されたカラスの死骸

 中村さんが撮影した死骸の写真には、くちばしに泡状のものが写っています。異様な感じを受けた中村さんは死骸を譲り受け、調査実績のある岩手大学農学部に分析を依頼しました。その結果…。

 岩手大学農学部 佐々木 淳 助教:「胃の中の内容物の農薬検査の結果、陽性が出た」

農薬検出…

 市販されていて比較的手に入りやすい一般的な農薬の一つ、有機リン系のものが死骸から検出されたのです。

 岩手大学農学部 佐々木 淳 助教:「人が口にするような食品が胃の中に詰まっていた。人為的・作為的な背景があると考えられる」

 検出された量から残留農薬の可能性は低く、何者かが餌に混ぜて与えたと推察されます。死骸が見つかった場所の周辺を取材すると、死んだカラスは2羽だけではありませんでした。

泡を吹いたカラスも

 カラスの死骸を見つけた住民:「木の下のへこんでいる場所に、あおむけになって死んでいた」

 1か月ほど前、住宅の庭で1羽のカラスが死んでいたといいます。死因はわかりませんが、農薬で死んだカラスが見つかった場所から100メートルも離れていません。近くには犬を散歩させる人も多く見られます。

 札幌カラス研究会 中村 眞樹子さん:「カラスが嫌いでやるのか、別な目的があってやるのかわからないが、野生動物に全然罪はない。毒の入った餌をまくこと自体法律違反なので、やってはいけない」

不安が広がる…

 中村さんは、今回の分析結果をもとに今後、警察に相談することにしています。

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