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海底に沈んだカズワン…"飽和潜水"で船内の捜索へ 船体引き揚げは6~8月? 道のりは 知床観光船沈没

事件・事故 社会 友だち追加

 北海道知床半島沖で26人を乗せた観光船が沈没した事故。「KAZU1(カズワン)」は水深約115mの海底に沈んでいます。

 通常の方法では到達できず「飽和潜水」という方法で船内の捜索を行うことになります。船体引き揚げまでの道のりは?

 消息を絶ったカシュニの滝の沖合約1.3km。深さ約115mの海底に沈んだ観光船「KAZU1」。

 海上保安庁の潜水士が、潜れる限界の60mを超えています。

 (上空のヘリから):「福岡県沖の海上です。知床で、観光船の引き揚げ準備にあたるとみられる新日丸が北上しています」

 海上保安庁は船内捜索のため、深海での作業が可能な「飽和潜水」の技術を持つ民間企業と契約を結びました。

 作業船は、5月2日に鹿児島県の港を出発し、知床の現場海域に向かっています。

 5月上旬には準備作業に着手する予定です。

 飽和潜水とは一体どのようなものなのでしょうか?

 水難学会 斎藤 秀俊 会長:「高い圧力にダイバーがあらかじめ慣れて、作業に入る手法」

通常の方法では到達できず「飽和潜水」という方法で船内の捜索を行う

 海の深い所へ、行けば行くほど大きな圧力がかかります。

 115mの海底では地上の約12倍となります。

 こちらは、海上自衛隊の飽和潜水の訓練の様子です。

 海上自衛隊 潜水員:「潜水は深度が深くなるにつれて、作業時間の長さにつれていろいろな制約をうける。呼吸やガスの管理など」

 潜水士はタンク内に入り24時間かけて作業を行う深さの水圧まで徐々に加圧され、体を慣らしていきます。

115mの海底では地上の約12倍の圧力がかかる

 その後、深海に到達し、外に出て作業を行うのです。

 水難学会 斎藤 秀俊 会長:「活動時間は30分くらい。船内に残されている人がいるかの確認に全力を注ぐ」

 作業を終えても、すぐに海上に戻れるわけではありません。

 急激に上昇すると、血管の中にガスが発生し、意識障害やまひなどを起こして死に至ることもあるのです。

 水難学会 斎藤 秀俊 会長:「1週間で気圧を戻し大気圧になったら、ダイバーが外に出られる。高圧にさらされ約1週間も暮らす。精神的なストレスも相当あると聞いています」

 また、知床の海ならではの環境が、作業を難しくさせる恐れもあるといいます。

 水難学会 斎藤 秀俊 会長:「海流が複雑で、天候によりあっという間に高い波が来る。自然環境が刻々と変わるのが、知床近海の特徴」

 飽和潜水により船内捜索を終えた後、船体の引き揚げが行われるとみられますがその時期はいつごろになるのでしょうか?

 水難学会 斎藤 秀俊 会長:「6~8月くらいが船体の引き揚げ作業期間か。9月になると厳しい。10月以降は天候が悪くなる」

 作業は長期化が予想され、気象状況やしけの状態により期間も限られるというのです。

 しかし、カズワンの引き揚げには大きな意味があります。     

 水難学会 斎藤 秀俊 会長:「なぜ沈没に至ったか。実際にどのように船が航行しどの時点で事故になったのか。大変重要な物証であることは確か」

カズワンの引き揚げが事故原因を知るカギとなる

 一連の費用は、飽和潜水による調査まで約8億7700万円で、国が負担するということです。

 さらに、引き揚げの費用がかかりますが、運航会社の知床遊覧船に費用を請求するかも含め、慎重に検討するとしています。

(KAZU1の「ワン」は正式にはローマ数字)

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