北海道初の"公立夜間中学校" 札幌に開校…10代から80代までの66人 希望を胸に学校生活スタート
北海道内初の公立の夜間中学で4月21日から授業が始まりました。
新入生は10代から80代までの66人。学び舎に集う理由とは。
4月21日、初めての授業が行われた札幌の夜間中学校「星友館」
不登校や障がい、そして戦争…かつて十分に学校に通えなかった人たちが集まりました。
生徒は:「諦めてきたことの方が多かったけど、いろいろ挑戦してみたい」
66人のみなさん、入学おめでとうございます。幸せな学校生活が待っていますように。

札幌の夜間中学校「星友館」
日が暮れ始めた午後5時、札幌の公立夜間中学校・星友館に15歳の少女が登校してきました。
門別 幸奈さん(15):「おはようございます」
新入生で最年少の門別幸奈さんです。
門別 幸奈さん(15):「登校かって感じですね。勉強が始まるからどんな流れなのか楽しみです」

新入生で最年少の門別幸奈さん
小学校の高学年から中学校までは不登校。
星友館で学びなおし高校に行きたいと考えています。
入学を後押ししたのが母親の奈苗さんでした。
母・奈苗さん:「ようやく学校に行きたいと言えるようになってよかった。中学校は中学校で楽しく過ごすイメージ、イベントとかあるじゃないですか。体験できてないから最低限味わったほうが人生の役に立つんじゃないかなと思って」
夜間中学は"時代を映す鏡"のような存在です。
不登校だけでなく外国にルーツがある人、学校がバリアフリーではないため通えなかった人たちも、学びなおす場です。
様々な背景の人がいるからこそ、門別さんも気兼ねなく過ごせるといいます。
門別 幸奈さん(15):「時間帯も自分に合っていて、一日の終わりの学校だから通いやすい、人との付き合い方もあまり気を使わなくていい」

様々な背景の人が学びなおす場
初めての授業は音楽。やってみたかったことは。
門別 幸奈さん(15):「リコーダーやりたいです」
小学校でやるはずだったリコーダー。学び直しの日々に希望を感じています。
門別 幸奈さん(15):「医学も学んでみたいし、美容系の資格も取ってみたい。学ぶことは自分を育てることだと思う」
様々な理由で学校生活を送れなかった人たちにとっては、給食や行事も楽しみの一つです。
吉野 太さん(58):「病院の中ではベッドの上で病院食を食べていたんですけど、みんなと食べるとおいしいです」
吉野太さんは小学1年生から24歳まで18年間にわたる入院生活で義務教育を受けることができませんでした。
2021年から通学のためのバッグを見つめて"入学の日"を待っていました。
吉野 太さん(当時):「来年から持って通うんだなと、夢を見ながら毎日、これを出して見て喜んでいます」