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"巨大津波"から身を守るには…海抜5メートル&住民の4割高齢者「津波避難困難区域」を抱えるマチの苦悩

事件・事故 政治 社会 友だち追加

 日本海溝と千島海溝沿いでは東日本大震災を超えるマグニチュード9クラスの巨大地震が起きる可能性が指摘され、北海道でも巨大津波に対する備えが必要です。

 東日本大震災で亡くなった人の年代別の内訳を見ると、約64%が60代以上の高齢者でした。

 高齢化が進む北海道で地震・津波が発生した場合、高齢者の避難をどう進めていくか課題が突きつけられています。

千島海溝地震の津波想定で"ほぼ全域が浸水"

 太平洋に面し、海抜5メートルほどの低い土地に住宅が並ぶ釧路市大楽毛地区。

 国の想定では千島海溝地震の発生から30分後に最大10メートルの津波が押し寄せ、ほぼ全域が浸水するとされています。

 約5500人が住み、そのうち40%が高齢者です。

 町内会長の中村啓さんは、高齢者の安全確保に不安を募らせています。

 中村 啓 町内会長:「高齢者が多いところなので、大津波が短時間に押し寄せた時に、どうやってお年寄りを助けて逃げることができるか、大きな問題を抱えている」

 大楽毛地区には高い建物が少なく津波到達までに徒歩で避難先へたどりつけない「避難困難地域」が一部に存在します。

 さらに北海道大学が調査したところ、夜間や降雪時は「避難困難地域」が大幅に増えることが分かりました。

 高台の釧路新道に上る階段が7年前に設置されましたが、移動には最大で5キロほどかかる上、階段にたどりつくまでの道も舗装されていません。

 中村 啓 町内会長:「歩きにくいね、お年寄りは大変だね」

夜間・積雪期に拡大する「津波避難困難区域」

 町内会では、釧路市に津波避難ビルの建設を要望していますが、財政面などを理由に実現していません。

 さらに、中村さんが頭を悩ませているのが、高齢者の防災意識の低下です。

 毎年秋に防災訓練をしていますが、参加者は年々減少しています。

 町民(80代女性):「(訓練は)行かないね、行ったことない」

 町民(90代女性):「私は逃げる足も車もない。いざとなったらどうなるかわからない」

 中村さんは日ごろから防災意識を持ってもらおうと住民に声掛けを続けていますが、町内会でできる活動に限界も感じています。

 中村 啓 町内会長:「大津波がきたときは、新道まで逃げないといけない」

 高齢者:「逃げられないです。とても行けないです。足も悪いし…」

 中村 啓 町内会長:「呼びかけして意識づけをするのも大事だけど、それよりも大事なのは、できるだけ近いところに安全な逃げ場所を確保すること」

 中村さんは高齢者のためにも一刻も早い津波避難ビルの建設を求めています。

  • みんテレ