川で見た娘の姿…母が語る胸中 旭川中2"いじめ疑い" 「何されたら」認められるのか 進まぬ調査に疑問
北海道旭川市で3月、当時中学2年生だった女子生徒が遺体で見つかり、いじめが疑われている問題。
女子生徒の母親がインタビューに応じ、悲痛な胸の内と、いまも進まない調査への疑問を語りました。

絵をかくのが好きだったという爽彩さんの絵
広瀬爽彩さんの母親:「本当にまだ実感がなくて…小さいころは本当にやんちゃでいたずらが好きだった。絵をかくのが好きで壁や家具に描いてしまうほどだった」

遺体で見つかった広瀬爽彩さん(提供:遺族)
旭川市の中学2年生だった広瀬爽彩さん(当時14)。
3月、旭川市内の公園で凍死しているのが見つかり、いじめの調査が進められています。
爽彩さんが亡くなってから7か月がすぎました。
9月5日、本来なら15歳となる誕生日を迎えました。

15歳を迎えるはずだった日に用意したケーキ
広瀬爽彩さんの母親:「本人がいない誕生日というのがつらい。ケーキの飾りつけもしたが、やることを後悔してしまった。でもまた来年もやるのかな」
2019年6月、爽彩さんは複数の小中学生に囲まれながら川に飛び込んだ際、川の中から学校に電話し、教師に「死にたい」と何度も訴えました。

爽彩さんが入った川
連絡を受け現場に駆け付けた母親が見た娘は一変していました。
広瀬爽彩さんの母親:「川の中から引き上げられても『死にたい、死なせてください』とパニック状態だった」
4か月後の10月、北海道教育委員会は「いじめの疑いがある」として旭川市教委に対応を指導しましたが、市教委や学校はいじめとは判断しませんでした。

北海道教育委員会は「いじめの疑い」として対応を指導
広瀬爽彩さんの母親:「何をされたらいじめなのか、どこまでされたらいじめなのか。爽彩がされたことはいじめ以上にひどいことじゃないのかとずっと思っていた。学校側からは『いたずらの度が過ぎただけ、悪ふざけだった』とずっと言われていたので、取り合ってもらえないと感じていた」

「いじめ」と判断されなかったことへの疑問は今も…
爽彩さんが死亡した後、教育委員会は「いじめの重大事案」と認定。
それから半年たち、調査する第三者委員会の対応に疑問を口にします。
広瀬爽彩さんの母親:「報告という報告は特にない調査をもう少しスピードアップしてほしい。『いじめの有無』だけなら12月末までに報告をまとめられるのではないか」

旭川市教育委員会
調査を進める第三者委員会には、年度内の報告が求められていますが、状況は不透明です。