"音花火"に"防災スピーカー"から祝福も 「赤ちゃん誕生を祝う」まち…「どれほど心待ちに」名物になる
「子どもは地域の宝物」という思いをカタチにしたまちの物語です。
オホーツク海に面する北海道湧別町では、地区をあげて赤ちゃんの誕生を祝っています。新しい命がつなぐ、住民の絆を見つめました。
「♪ハッピーバースデー」
防災スピーカーから流れるハッピーバースデーと子どもたちの歌声。さらに。
「ドンドン!パッパ!(音花火打ちあがる)」
ここはオホーツクの湧別町、鳴り響く号砲は町に赤ちゃんが生まれたことを伝えます。「こんにちは、赤ちゃん。ようこそ、このまちに」。

オホーツク海とサロマ湖を望む湧別町
人口約8300人、オホーツク海とサロマ湖を望む湧別町です。湧別町といえば、なんといってもチューリップ。

チューリップが有名な町
最盛期は5月のため残念ながら今は咲いていませんが、他にもこの町ならではの名物がありました。
「※スピーカーから音楽」
防災スピーカーから流れるのは「ハッピーバースデー」そして歌う小学生たち。中には大人も混じっています。そして…。

「音花火」を打ち上げて祝福
「※音花火打ちあがる」
町に鳴り響く号砲。何の合図なんでしょうか?
湧別町の小学生:「湧別町のどこかで、赤ちゃんが生まれた時に花火が上がる」
赤ちゃんが生まれた合図として流れる音楽と打ち上がる号砲。町では「音花火」と呼んでいます。計画したのは町内に住む主婦・宮澤道さんです。

子どもの誕生を祝う音花火を計画した宮澤道さん
「子どもの誕生を祝う」実行委員会 宮澤 道さん:「子どもの誕生を祝う実行委員会を私たちが立ち上げまして、湧別町の"仲間"になったことをみんなで祝おうと始めた」
宮澤さんが仲間たちと2016年から始めたこの取り組み。音楽は町内33か所の防災スピーカーから流れ、音花火は赤ちゃんが将来入学予定の小学校で打ち上げ、地域の人に新たな命の誕生を知らせます。

第1号の打ち上げは2016年
6年目の2021年、5月に200回を突破し、今や湧別町の名物です。
湧別町民:「あっ、また生まれたんだって思うよね。とってもありがたい」
湧別町民:「子どもは宝だって言うし、いいことしていると思う」
しかし、町は少子高齢化が加速しています。湧別町の出生数は年間わずか50人ほど。人口は減り続け、10年前には1万人を下回りました。