サケ&ウニ大量死…釧路地方だけで被害"28億円"も 名物の"うに丼"も出せない…漁師も悲鳴
ほかほかのご飯の上に盛られた濃厚な「ウニ」。とろける食感がたまりませんが…。いま北海道東部ではウニが大量死する深刻な事態となりピンチを迎えています。
同じ東部の釧路市で市民の台所として親しまれている「釧路和商市場」。ここである異変が起きていました。
田中 うた乃 記者:「こちらの店はウニの仕入れができず、名物のウニ丼が作れません」
材料不足で名物のうに丼を断念した店。
こちらの店では、同じ東部の浜中町などからウニを仕入れていましたが、10月はウニがなく北方四島周辺のものに切り替えました。
しかし、それも価格が上がり仕入れが難しくなっています。
露風庵 横田國勝さん:「(仕入れるのに一折)9000円。色もあまり良くない。相当打撃ですね」
ウニの大量死の原因は赤潮によるとみられる漁業被害です。
ウニやサケなど釧路地方だけで約28億円にも上っています。

仕入れが困難な”ウニ” 原因は「赤潮」か…
10月8日の朝、ウニの水揚げが行われた厚岸町。これは船の上で撮影された写真です。白く変色するなど大量の死んだウニが確認されました。
この深刻な事態に漁業者は…。
漁業者:「9月24日に(調査に)入ったが、海底が真っ白になっているくらい死んで、白骨化したウニが海底一面に広がっている状況。いつもの水揚げの10分の1…この先、どんなふうにしてどこに行ったら良いか迷い、心配する状況」
厚岸町を含む釧路地方の5市町村ではサケ約8000匹、ウニは5割から最大9割も死ぬなど甚大な被害が…。

10月8日 厚岸町で行われた「ウニの水揚げ」
原因は「カレニア・セリフォルミス」という魚介類に有害なプランクトンとみられ、これを含む赤潮の確認は日本で初めてです。
厚岸漁協によりますと、ウニは稚貝を放流してから4年経過しないと漁獲対象にはならず、今後数年にわたって被害額が膨らむ可能性があるといいます。
漁業者:「(ウニ漁は)10月から12月の3か月間で、良い年は1億8000万円分の水揚げが期待できるが、今年は1か月間やれるのかも心配…」
おせちの定番食材の1つでもあるだけに、今後の値上がりも心配なウニやイクラ。
地元自治体や漁協などは国や北海道に漁業者の支援を求めています。