「数億円が当選した」電子マネー5000円が1か月で650万円分に…60代の被害者が語る"巧妙なわな"
「数億円が当選した」。突然届いたメールをきっかけに650万円分の電子マネーをだまし取られてしまった男性。
警戒していたのに、なぜだまされてしまったのか、巧妙なわなが仕組まれていました。

詐欺事件の被害にあった男性
詐欺被害にあった男性:「悔しいし、だまし取られたお金は嫁に使おうと思って」
家族のために貯めていた650万円もの大金をだまし取られた60代の男性。きっかけは7月に届いた一通メールでした。
メールの文言:「ご当選しております。当選金額と当選理由はこちら」
男性は当初信じていませんでしたが、「数億円が当選した」などといったメールが立て続けに送られてきました。

「数億円が当選した」というメールが立て続けに…
詳細を知りたいと考えた男性。送り主とチャットでやり取りするためには電子マネーが必要と言われて購入し、連絡したといいます。
詐欺被害にあった男性:「まさかとは思ったけど幹部の人が『間違いなく当たってますよ』と言われ(信じてしまった)」
やりとりの結果、信じ始めた男性ですが、さらに巧妙な仕組みが用意されていたといいます。
現金を受け取るためにはインターネット上で10人のグループを作り、全員でお金を先に払わなくてはいけないと説明されました。
そのグループに加わったという人たちが男性にメールを送ってきます。

10人の仲間から「困っている」というメールが…
詐欺被害にあった男性:「10人の仲間がいた。親を看病して困っていた。『助けてやらなきゃ』という気持ちがあった」
だまし取られた電子マネーは初めは5000円でしたが、要求はエスカレート。最終的には1日5万円にもなりました。1か月間の間に60回近く電子マネーを購入し、被害は約650万円分にのぼっていました。

当初5000円が最終的には1日5万円にも…
さらに電子マネーを購入しようとしたところ不審に思ったコンビニエンスストアの店員が警察に通報、事件が発覚しました。
男性は被害を公にすることで、同じような被害に合わないよう訴えています。
詐欺被害にあった男性:「だますことはしないでほしい。まっとうに生きてほしい」
警察は詐欺事件として捜査を進めています。

北海道内の「架空請求詐欺」の被害額
2021年の架空請求詐欺被害は、8月までに22件。被害額は約7200万円にのぼっています。
スマートフォンの普及でより多くの人が被害にあいやすくなっていて、主にインターネット上で取引が行われるため身元の特定が難しいと捜査関係者は話しています。
またアダルトサイトなどの使用がきっかけで後ろめたい気持ちが勝って被害の申告がされていないケースも多く、実際にはもっと多くの被害件数となっている可能性があります。

詐欺被害にあわないためには…
北海道警による被害にあわないために必要なポイントです。
・最新の手口を知る
・お金に関することは周囲に相談を
・普段から詐欺について会話を