ヒグマによる襲撃多発の北海道 死傷者は"過去最多"8人に…福島町の遺体は77歳女性とようやく判明

道が作成したヒグマへの注意喚起ポスター
7月2日、北海道南部の福島町の山林で発見された女性の遺体は、近くに住む77歳の女性で、クマに襲われ死亡した可能性が極めて高いことがわかりました。
7月2日に福島町白符の山林で損傷が激しい遺体が見つかり、警察などが身元などを調べていましたが15日、DNA鑑定の結果、前日から畑作業に出たまま行方不明となっていた小笠原セツさん(77)と確認されたと発表しました。
また道立総合研究機構の調査で、遺体に付着していた毛はヒグマのものであることがわかりました。これを受け道は、小笠原さんはクマに襲われて死亡した可能性が極めて高いと判断、クマによる人的被害として正式に認定しました。
これで2021年度の道内のクマによる死傷者は8人(死亡2人、負傷6人)となり、統計が残る1962年以降、最多だった1964年の8人(死亡5、負傷3)と並びました。
7月12日には北海道北部の滝上町の林道でも、クマに襲われたとみられる道外の60代女性とみられる遺体が見つかっていて、この女性が「クマによる被害」と確認されれば、死傷者は計9人となり、最多更新されることになります。
福島町では、女性を襲ったクマを駆除する方針を決め、箱罠の設置やハンターによる警戒を続けています。

遺体が発見された現場付近(北海道福島町)
一方、道はクマによる被害に遭わないよう、以下のような注意の呼び掛けを緊急で行いました。
▼ヒグマによる人身事故が多発しています!!
▼どこにでもヒグマがいる、それが北海道です。決して甘く考えず油断しないで!
▼野山はもちろん、市街地、公園、河川敷、緑地帯など、あなたの身近な場所にもヒグマが潜んでいる可能性があります
▼あなたが被害者にならない一番の方法は、ヒグマに遭わないことです
▼市町村や警察などのヒグマ出没情報を積極的に確認を
▼一人では野山に入らない
▼野山では音を出しながら歩く
▼食べ物やゴミを放置しない
▼フンや足跡などヒグマの痕跡を見たら引き返す
▼ヒグマが出没しているところでは、早朝や夕暮れ時など、薄暗いときには行動しない
▼ヒグマを興奮させるおそれがあるため、ヒグマが出没しているところでは犬の散歩は控える