「いまや平野部や住宅地でもクマが侵入する時代に…」札幌を震撼させた"狂暴グマ" 専門家が今後を予測

4人を負傷させたクマ
これまで札幌市東区では出没情報が少なかったヒグマ。6月18日に4人を襲ったクマはどこからやってきたのでしょうか。
北海道立総合研究機構の間野勉 専門研究主幹に聞きました。

北区の公園から南下したと推測
<北海道立総合研究機構 間野 勉 専門研究主幹の話>
5月の末から6月の始めにかけ、札幌市北区の茨戸公園でクマの存在が確認されている。札幌市のホームページでも公表されていた。そのあと、そこにしばらく滞在していたことが分かっている。
おそらくその個体が、そのあと南下して北19条あたりまで南下したと想像している。今の段階では推測だが。

用水路が移動ルートになっている可能性
今回、市街地の中を移動するときに、映像を確認したが水路を移動する。農地の場合だと、用水路があちこちに走っている。そうするとその水路をと通って移動していく。
さえぎるものがない。かつ非常に人目に付きづらい。そういう水路がクマに限らず、多くの野生動物の移動のための廊下のような役割になっている。

今後も起こる可能性…もはや想定外ではない
今回侵入した東区の住宅地は、クマと遭遇するという事態は想定しない。実際にクマを目撃して、あるいは遭遇してケガをされた方もいて驚いた。まさに想定外。
今の状況は、住宅地であってもクマの侵入がありうる時代になったという現実を突きつけた。平野部や開けた住宅地でも、クマが侵入してくる状況が起きている。
今後も今のままだと拡大するかもしれない。その状況があるということ心にとめること。もはや想定外ではない。