「私は生きたい」難病ALSと闘うバイオリニスト…コロナ禍で訴える命のメッセージ
全身の筋肉が衰えていく難病の「ALS」と闘うバイオリニストの大平まゆみさん。
コロナ禍で、新たな声と共に"人生の第2幕"を歩み始めた大平さんが訴える命のメッセージとは。
2021年、創立60年を迎える札幌交響楽団。
ここで演奏者のまとめ役、コンサートマスターを21年余り務めた大平まゆみさん。
これまでに名門楽団を渡り歩いたバイオリニストで、北海道各地でクラシックの魅力を発信してきました。
バイオリニスト 大平 まゆみさん:「もう、ありとあらゆる所で弾いています。学校、病院、いろんな施設、地下歩行空間や、地下鉄の駅とか」
しかし2019年11月、突然の退団。
全身の筋肉が衰える難病「ALS」(筋萎縮性側索硬化症)であることを公表したのです。
5年前番組出演を通じて大平さんと知り合い人間性に魅せられた私(松本裕子 医療キャスター)は、病気を公表した時の気持ち、その後の病状が気がかりで…メールを送りました。
するとー。

「再現された声」でメッセージをくれた大平まゆみさん
Q.なぜ病気を公表?
声・大平 まゆみさん:「大切にしていた札響を辞めるからには、その理由を皆さまに理解していただきたいという気持ちでした」
症状が進行し、声を出せないはずの大平さん。
返って来たのは、過去に大平さんが出演したラジオ番組の音源を基に「声を再現するソフト」でよみがえった肉声でした。
声・大平 まゆみさん:「私は生きたい」
コロナ禍をALSと生きる。メッセージに込められた想いとは。

ALS公表後も各地で演奏会を続けた
2019年、全身の筋肉が衰える難病「ALS」であることを公表した、バイオリニストの大平まゆみさん。
公表後も北海道各地の病院や学校などで演奏を続けていました。
ベストの演奏が出来なくても「できる限り、弾き続けたい…」。
どの会場にも魂の音色が響き渡ります。
しかし病は予想より早く、大平さんの体をむしばんでいきます。
次第に演奏できる曲も限られ、2020年2月に開かれた故郷仙台でのソロ演奏会が最後に…。
声・大平 まゆみさん:「毎日のように体は少しずつ変化しています。現在は、24時間ヘルパーさんに介助していただいています。何でも一人でやってきた私が、一人では何にもできなくなってしまいました」