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スタイルがすべて…フィットネスブーム到来 「5キロやせたい」客の9割が肥満体型

フィットネスブーム到来で、「ジム・ジム」は連日盛況

 モスクワの中心部から7キロ、車で20分のキエフスカヤ地区。地下鉄と鉄道が交わり、大きなショッピングモールも出店しているこのエリアで、商業ビルの2階にフィットネス「ジム・ジム」がある。

 サウナを完備し、10台あるトレッドミル(ランニングマシン)は常に使われている。会員数は約1500人。月3500ルーブル(4900円相当)を支払うと無制限に利用できる。オーナーのヤリョーメンコ・ニキータさん(30)は「モスクワのフィットネス人口は7年前に比べ倍増した」とブームの到来を歓迎する。

 ニキータさんによると、40~50店ほどしかなかったフィットネスは4倍の200店を超えた。ブームを支えているのは女性で、客の7割を占める。「9割が肥満体型。5キロはやせたいと思っている。ロシア人女性の大半は30歳までに出産する。体型が崩れてもなかなか戻せない」と背景を語る。

 会社員のアンドロソワ・オリガさん(23)はおととし10月から週に4、5回通っている。「みんなSNSで”自分がどれだけ健康的に美しいか”を示したいの。そのために体型を変えたくない」。始めは10キロのバーしか持ちあげられなかったが、今では40キロを軽々とあげる。

 ジムで週4回汗を流す看護師のフィメンコ・ヴィクトリアさん(22)はヒップラインを重点的に鍛えているという。「若いロシア人女性はとにかく自分の体型を気にしている。わたしは絶対にマヨネーズを食べないのよ」。スタイルが女性の優劣を決めるかのように強い調子で言う。
 

歳重ねるごとに…なぜ極端に太る? 専門家の私見「日照時間の短さが原因」

 ロシア国立予防医療科学研究センターによると、ロシア人女性の肥満率は2018年で30.8%。厚生労働省がまとめた同年の日本人女性より9ポイントも高い。肥満度を表す指数「BMI」も27.5で、日本人を5ポイント上回る。

 そもそもロシア国内で食品にカロリーが表示されていることはごく稀。高カロリーなドレッシングをたっぷりかけたファストフードのサラダを「健康な食べ物」として食べる人は決して少なくない。

 ジムトレーナーのイルシナ・ユリアナさん(31)は「ドレッシングやマヨネーズをたっぷりかけ、食事に気をつけていない人が多い。若い人を中心に気を配る人は増えてはいるが」とため息をつく。

 ダイエットと栄養学に詳しい食事療法学研究所所長のミハイル・ギンズバーグさん(60)はロシアの日照時間の短さが原因とする。「日が短いと、気分が落ち込む。気分転換しようと甘いものや炭水化物をたくさん取る。だから、太る」という理屈だ。

 モスクワは北緯55度。36度の東京よりはるかに北に位置していて、冬は日照時間が極端に短い。12月は東京が5.7時間だが、モスクワは1.2時間。しかも2019年は晴れの日が1度もなかった。真っ暗な日々が続くのだ。

 「地中海の国々は天気がよくて、散歩するでしょ。食事は魚がメイン。モスクワは内陸で脂肪の多い肉やジャガイモをよく食べる。寒いし暗いから外を歩かないし」

 ギンズバーグさんは太って当然だと力説する。スタイルを追求する女性にとっては厳しい環境なのだと。

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