「10万人に3人」の難病と闘ったレスラー死す…"ご当地プロレス"巨大パンダ生みの親が最後に遺したもの
最期まで"レスラー"を貫いたサムソン宮本の軌跡
ご当地プロレスとして北海道・根室市で誕生した「新根室プロレス」。
巨大パンダ・レスラー「アンドレザ・ジャイアント」の登場で一気に注目を集め、全国的な人気を博しました。
その代表を務めていたサムソン宮本さんが9月11日、55歳の若さでこの世を去りました。
病魔に侵されながらも最期までレスラーとして生き続けたサムソン宮本さん。
その思いを取材しました。
1年前、地元プロレス大会で"生前葬"を敢行

生前葬を敢行したサムソン宮本
今から1年前の2019年9月。地元・根室市の三吉神社で開かれた例大祭。
小さな神社は、新根室プロレスの試合を楽しみに集まった、たくさんの観衆で埋め尽くされました。
そこに突然、こんなアナウンスが流れました。
「サムソン宮本 生前葬、思う存分楽しんでいってください!」
この日が、新根室プロレスの地元で最後の試合となりました。
巨大パンダレスラーの"生みの親"

サムソン宮本とアンドレザ
会場でひときわ注目を集めていたのが、新根室プロレスの名物レスラー、アンドレザ・ジャイアントパンダ。
身長はなんと3メートル。
2017年に衝撃のデビューを飾って以来、全国のプロレス大会や各種イベントなどに引っ張りだこの存在となりました。
そのアンドレザ・ジャイアントパンダの「生みの親」が、サムソン宮本さんでした。
「無理しない、怪我しない、明日も仕事」

モットーは「無理しない、怪我しない、明日も仕事」
ご当地プロレスのひとつに過ぎなかった新根室プロレス。
巨大パンダレスラーの登場とともに一躍、全国区の人気団体へと成長しました。
特にファンの間で評判を呼んだのが、プロレス団体らしからぬ、ユニークなモットー。
「無理しない!怪我しない!明日も仕事!!」
サムソン宮本を襲う病魔「平滑筋肉腫」

リングで病気のことを語るサムソン宮本
しかしパンダ人気が絶頂を極める中、サムソン宮本さんの体には異変が生じていました。
サムソン宮本:「平滑筋肉腫という10万人に3人の非常に珍しい病気。10年生存率が0%。5年生存率が30%…」
平滑筋肉腫とは筋肉に悪性腫瘍ができるがんの一種です。
「無理しない、怪我しない、明日も仕事」をモットーとしてきたサムソン宮本さんだけに、ファンの前で無念さをにじませました。
サムソン宮本:「今は無理して、病気して、仕事も休んで…」