きみと、ずっと。UHB|北海道文化放送

忠犬ポチ

2021/03/22

吉田 雅英

石野アナは選抜高校野球で春を感じるとのことですが、私はやはり『桜花賞』『皐月賞』といった競馬のレースが近づくと春を感じますね。

さて今回は馬の話ではなくて犬のお話です。

先日、用事があって市電の西線14条停留所近辺を歩いていると偶然、犬の像を見つけました。冬のコロナ禍ということで地元の有志の皆さんからマスクとマフラーが掛けられていました。


白い犬の石像の台座には
『忠犬ポチ 大正7年(1918年)の冬、電報配達の帰り、猛吹雪のため遭難した真狩郵便局村上政太郎郵便局長の異変を告げ一晩中暖め続けたのが『忠犬ポチ』(当時7歳)でした。この話を聞き及んだ小池園長は、懇願して札幌報恩学園にもらい受け学園の玄関番として17歳まで子供たちと共に生活しました。没後『忠犬ポチ』は、はく製となり学園記念館に飾られていましたが昭和40年(1965年)から東京逓信博物館にて展示され昭和42年(1967年)それを見た真狩村文化祭保護審議会、真狩高等学校生徒さんの熱意によって生まれ故郷に戻ることができました。現在、真狩村公民館にて展示されています。小池九一園長は『忠犬ポチ』の石碑も建立し、永くその遺徳を伝えんとしましたが厚別上野幌への移転や長い年月も経て劣化が進んでおりました。今般「幌西ほうおん(園)」の開設にあたり札幌報恩学園の草創期をけなげに支えてくれた『忠犬ポチ』を復刻することにしました。地域の皆様にかわいがっていただければ、頭をなでていただければ幸いです。』と記してありました。


早速家に帰ってネットなどでいろいろと調べてみると『忠犬ポチ』は北海道犬のメスで今から100年以上前、明治43年(1910年)の生後一か月足らずの時に真狩村のトマト畑の脇に捨てられていたのを当時の真狩村の郵便局長だった村上政太郎さんが見つけて家に連れ帰ってきたそうです。その時かなり衰弱していたポチも村上さんと家族の愛情を受けてすぐに元気を取り戻します。成長したポチは村上さんとともに毎日、郵便局に出勤し、やがて一緒に郵便配達にでかけるようになっていきました。
そんなある日のこと。大正7年(1918年)の午後2時過ぎに真狩郵便局で1通の電報を受信しました。あて先は郵便局から約5キロ離れた村の山奥に位置する家でした。
村上さんはポチを伴って午後3時頃に郵便局を後にします。
積雪のため普段の倍近い時間がかかり、日が暮れたころにようやく目的の家にたどりつき電報を配達することができました。
ところが帰りはすっかり夜が更けて一度は止んだ雪もまた降り始め、やがてひどい吹雪に変わっていきました。郵便局をめざして歩き続けた村上さんでしたが激しい吹雪と寒さには勝てずに郵便局まであと2キロという地点でとうとう力尽きて雪の中に倒れてしまいます。
翌朝、亡くなった村上さんの姿が発見されましたが、発見のきっかけとなったのはポチが村上さんの体を守るように覆いかぶさり、人が近づくと激しく吠えたてたことでした。
ポチの行動は当時の新聞の記事にも掲載されて広く人々に知れ渡りました。
翌年、亡くなった村上さんの遺族のもとに1通の手紙が届きます。
差出人は札幌で家庭的に恵まれない子供たちや社会からはみ出した子供たちのための教育施設『札幌報恩学園』を創設していた小池九一さんという人物でした。
手紙の内容は『ポチをぜひ私どもに譲っていただきたい』
というものでした。小池さんはポチを通して子供たちのすさんだ心に思いやりを育みたいという思いがありました。
村上さんの遺族は小池さんの熱意に動かされポチを譲ることにしました。
その後小池さんに引き取られたポチは小池さんの創設した学園で子供たちをはじめ皆から愛され続け約7年半の月日を過ごして昭和2年(1927年)に17歳でその生涯を閉じました。
ポチの死後、何とかその存在を残しておきたいと考えた小池さんの願いによってはく製となります。
ポチのはく製は学園の教材室に安置され庭の一角には石像が造られました。
その後、石像は台風で壊れてしまいましたが、台座の部分のみは残りました。
やがてポチのはく製は昭和40年(1965年)に東京の逓信博物館に展示されることになります。そこで20年以上展示されていたポチのはく製は昭和62年(1987年)に故郷の真狩村に戻ることになります。
帰還のきっかけとなったのは、その年に修学旅行で博物館を訪れた真狩高等学校の生徒たちが村役場に働きかけた結果でした。
現在は真狩村公民館に展示されているということです。


なお、前述のポチの石像ですが平成30年(2018年)に幌西ほうおん創設事業新築工事に合わせて再度造られました。除幕式の11月30日は札幌報恩会創立100周年の日でもあったそうです。忠犬といえば渋谷のハチ公が全国的にも有名ですが
ハチが大正12年(1923年)生まれで昭和10年(1935年)に死没していますので
ポチは13歳年上で同じ時代を生きていたことになります。
ハチの物語は多くの書物や映画にもなって日本の人々に広く知られていますが
北海道にもかつて立派な名犬が生きていたということを知っていただきたいと思います。
尚、『郵便犬ポチの一生(ハート出版)』という本も出版されていますので興味のある方はご一読をおすすめします。
さて次回は柴田アナウンサーですが、ナルちゃんは犬派ですか?猫派ですか?

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